まいぷれ杉並区スタッフが行った!みた・きいた!
農林水産省の蚕糸試験場の跡地に整備された防災機能を持つ公園

園内北側の「つどいの広場」付近に設けられた人口滝。遊歩道沿いに流れる小川の上流部に位置し、水のせせらぎがここから始まります。
東高円寺駅から徒歩わずか5分の場所に、時間の流れが穏やかに感じられる緑豊かな空間があります。その名も「蚕糸の森公園(さんしのもりこうえん)」。ここは、ただの公園ではありません。かつて日本の絹産業を支えた「農林水産省蚕糸試験場」の跡地として、歴史と文化の香りを残しながら、地域の憩いの場として今日も人々を迎え入れています。

蚕糸の森公園、遊歩道。カーブを描く舗装道が巡っています。幅広のカラー舗装で歩きやすく、道沿いにベンチや花壇、フジ棚もあります。
蚕糸の森公園が立つこの土地には、明治時代より「蚕糸試験場」がありました。日本が近代化を進めていた時代、養蚕は主要な産業の一つでした。ここでは、絹糸の品質向上や蚕の育種など、さまざまな研究が行われ、日本の繊維産業の礎を築く重要な役割を担っていたのです。
昭和の終わりに試験場は閉鎖され、その跡地は一時的に塀で囲われたまま静かに時を過ごしていました。しかし、地域住民の声や行政の後押しもあり、1990年(平成2年)に「蚕糸の森公園」として一般に開放されることとなります。こうしてこの土地は、かつての知の拠点から、誰もが自由に訪れられる安らぎの森へと生まれ変わったのです。

明治44年に設置、昭和55年に筑波に移転した蚕糸の試験場の跡地を公園として整備したのが蚕糸の森公園は公園です。

公園は区民の憩い場となる緑地として整備され、小学校や一般も利用できる温水プールを併設。地下鉄東高円寺駅とも直結しています。

蚕糸の森公園の正面入口(煉瓦門)のすぐ横にある石碑。

同じく正面入口入ってすぐ園路沿いに石材の台座に埋め込まれた石碑型の案内図。

試験場では蚕技術の他、桑の品種改良なども行われていました。枝垂桑は枝が垂れ下がる珍しい特徴を持つ園芸品種です。公園化の際その歴史的背景を象徴するため正面近くに接ぎ木で植えられています。

蚕糸試験場長を長く勤め、昭和初期から戦後復興期にかけ日本の絹産業の国際競争力を支えた平塚英吉博士(1888~1984年)による碑文。正門(煉瓦門)をくぐってすぐ左手奥、園路沿いにあります。

蚕糸の森公園・正面入口の門(煉瓦造りの旧正門)は、もともとこの地にあった「農林水産省蚕糸試験場」の正門として、明治44年(1911年)頃 に建築されたものです。
園内には多種多様な木々が植えられ、春には桜、秋にはイチョウやケヤキの紅葉が訪れる人々の目を楽しませてくれます。中央には自然の地形を生かした池があり、周囲には小川が流れ、都心とは思えないほど静かで豊かな自然環境が広がっています。
木漏れ日の中、ベンチで読書を楽しむ人、小さな子どもたちが遊具で遊ぶ声、散策を楽しむカップルやシニアの姿。誰もが自分のペースでこの場所と関われる、そんな包容力のある公園です。
蚕糸の森公園の魅力は、自然だけにとどまりません。
遊具広場:小さなお子さまが安心して遊べる滑り台やブランコ。
多目的広場:キャッチボールや軽い運動、地域のイベントに活用されるスペース。
散策路:園内を一周できる散歩道は、ウォーキングやジョギングにも最適。
東屋・ベンチ:どこか懐かしい木製の東屋やベンチが点在し、気軽に一休みできます。
季節ごとの自然の変化を楽しみながら、のんびりと過ごせるこの場所は、子どもから大人まで誰もが楽しめる都市型公園のモデルとも言えるでしょう。
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。
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