杉並区には「三種類の線路幅」があるってホント?
鉄道好きなら思わず「おっ!」と反応してしまうこの話題。
実は杉並区には、3種類の線路の幅=三種の軌間が存在するんです。
普段は気にしない線路の幅(軌間)ですが、実はこれが日本の鉄道史そのものを映しています。
今回はそんな“杉並の足元に潜む鉄道ロマン”を、やさしく掘り下げてみましょう。
その1:狭軌(1,067mm)
日本鉄道のスタンダード!
杉並区を走る多くの鉄道がこの「狭軌」です。
JR中央線、西武新宿線、そして京王井の頭線が該当します。
明治時代に全国で採用されたこの軌間は、いわば日本の基本仕様。
荻窪・西荻窪・高円寺を結ぶJR中央線、西武新宿線の井草・上井草周辺、そして渋谷~吉祥寺を走る京王井の頭線など、どれも杉並区民の生活に欠かせません。
まさに日常を支えるレールです。
その2:標準軌(1,435mm)
赤い電車でおなじみ、丸ノ内線!
東京メトロ丸ノ内線は、世界的にも主流の「標準軌」。
高速運転や安定性に優れ、戦後の都市交通のモデルケースとなりました。
赤いボディの丸ノ内線は、荻窪駅から新宿・池袋へと続く区民の大動脈。
JR中央線と並行しながら、地下鉄ならではの高頻度運転で杉並の地下を走っています。
戦後のモダンさと技術革新を象徴するレールです。
その3:馬車軌(1,372mm)
京王本線に残る創業ロマン
もう一つの珍しい軌間が「馬車軌(ばしゃき)」です。
これは京王電鉄が創業期に採用した独自規格=京王軌間(1,372mm)。
もともと軽便鉄道に近い構造でスタートしたため、
標準軌や狭軌とは異なる中間サイズになりました。
今でも明大前~桜上水~八幡山など、杉並区内を通る京王本線はこの軌間を使っています。
レールの幅に“民間鉄道の自由な発想”が残っているのです。
三種類のレールが共存する理由
なぜ、杉並に3つの軌間があるのでしょう?
それは、鉄道の歴史と時代の選択の積み重ねです。
・明治期:国鉄や私鉄が次々と「狭軌」で路線を整備
・戦後:都市交通整備で「標準軌」地下鉄が誕生
・私鉄創業期:自由な設計思想から「馬車軌」を採用
それぞれの時代にベストとされた幅が、偶然にも杉並にすべて集まった。
それが「三種の軌間」が同居する理由です。
杉並は生きた鉄道博物館!
普段の生活では気づきにくい軌間の違い。
けれども、実は杉並は鉄道文化の縮図といっても過言ではありません。
狭軌=国鉄の伝統
標準軌=戦後地下鉄の進化
馬車軌=私鉄創業の自由
三つのレールが一つの区で共存しているのは、全国的にも本当に稀なんです。
日々乗る電車の下に、100年以上の歴史が走っている。
そう思うと、通勤・通学の風景も少し違って見えるかもしれませんね
東京にも軌間ミックス区があった!
実は、杉並以外にも東京都内には三種類の軌間が共存する区があります。
荒川区
・1372mm:都電荒川線(東京さくらトラム)
・1435mm:京成本線
・1067mm:JR山手線・京浜東北線
町屋駅周辺では、狭軌・標準軌・馬車軌がほぼ同エリアに集結しています。
豊島区
・1372mm:東京さくらトラム(大塚駅前)
・1435mm:東京メトロ丸ノ内線(池袋)
・1067mm:JR山手線
ここも“3軌間区”のひとつ。池袋駅を中心に、地上と地下で異なるレール幅が交差しています。
新宿区
・1372mm:東京さくらトラム(早稲田)
・1435mm:東京メトロ丸ノ内線(新宿駅)
・1067mm:JR中央線・山手線
早稲田から新宿へ――ほんの数キロの中に3種類の線路幅が共存しています。
番外編:全国唯一の3軌間が並ぶ街
三重県・桑名市
鉄道ファンの聖地ともいえる場所。
ここには日本唯一、1つの踏切で3種類の軌間が並ぶ光景があります!
・762mm(ナローゲージ):三岐鉄道北勢線
・1067mm(狭軌):JR関西本線
・1435mm(標準軌):近鉄名古屋線
わずか数メートルの範囲に3種類のレール幅が並ぶ、まさに奇跡の踏切。
鉄道の交差点として全国のファンが訪れる超レアスポットです。
普段の足元に、鉄道の100年が息づいている。
杉並区は、まさに生きた鉄道博物館なんです。
次回の《杉並区あるある検証 No.10》もお楽しみに!
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