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杉並区 社会貢献や支援 地域に根付いた活動を行う団体の紹介

杉並洋舞連盟 

更新)

杉並洋舞連盟 第32回公演 


― 地域文化を支える人たちの舞台 ―

杉並区で35年以上にわたり洋舞文化を支え続けてきた「杉並洋舞連盟」。
1989年の設立以来、地域に根ざした活動を積み重ね、今年で第32回公演を迎えます。

会場はセシオン杉並。
このホールのこけら落とし公演から始まった連盟の歴史は、今も変わらず続いています。

毎年3月に開催される本公演は、単なる発表会ではありません。
チケットを購入していただき、舞台芸術として完成度を追求する公演です。

クラシックバレエ、モダンダンス、コンテンポラリーダンス。
異なるジャンルが一堂に会し、杉並区の舞踊文化の現在を提示します。

主催:杉並洋舞連盟
共催:杉並区教育委員会/杉並区文化団体連合会
後援:(公社)日本バレエ協会/(一社)現代舞踊協会/(一社)全日本児童舞踊協会

杉並洋舞連盟とは

杉並洋舞連盟は、杉並区内のバレエ教室、モダンダンス教室、コンテンポラリーダンス教室などが加盟する団体です。

毎年3月の本公演に加え、秋には杉並区総合文化祭のフェスティバルにも参加しています。
フェスティバルでは各団体が短い作品を発表し、区民の皆さまに舞踊文化を身近に感じてもらう機会を提供しています。

設立は1989年。
当時の会長・泉田先生が中心となり、セシオン杉並のこけら落とし公演から活動が始まりました。
現在は4代目東会長のもと、活動が続けられています。

連盟の最終目標は「プロを輩出すること」だけではありません。

洋舞文化の裾野を広げること。
踊る人を増やし、観る人を増やすこと。
地域文化として根付かせること。

それが杉並洋舞連盟の根幹です。


異なるジャンルが交わる舞台

クラシックバレエはトウシューズを履き、厳格な技術と型を重んじます。
一方、モダンダンスやコンテンポラリーダンスは、裸足や自由な衣装で身体そのものを語らせます。

一見、まったく別の世界のように見えます。

しかし東会長は言います。

舞台でお客様の前に立つという点では同じなんです。
ひとつの作品をみんなで作り上げる。それが共通しています。
近年ではロイヤル・バレエ団やボリショイ・バレエ団といった伝統的な団体でもコンテンポラリー作品を取り入れています。
いま求められているのは「ジャンルを越えて表現できるダンサー」です。

会長・東秀昭さん

表現の本質を追い続けて

現在会長を務める東秀昭さんは、クラシックバレエを専門とする舞踊家であり、スターダンサーズ・バレエ団に所属する現役ダンサーでもあります。

実は、もともとは役者志望でした。
演劇の専門学校でバレエに出会い、最初は「正直つまらなかった」と振り返ります。

しかし、恩師との出会い、そして舞台経験を重ねる中で、次第にバレエの世界へと導かれていきました。

若い頃には主役のアンダースタディを3年間務め、やがて本役を演じるまでに成長します。

東さんはこう語ります。

芝居も舞踊も根本は同じ表現です。
台詞があるか、身体で語るかの違いだけなんです。
現在は大学でも指導にあたり、ミュージカルコースでバレエの基礎を教えるなど、ジャンルを越えた教育にも携わっています。


副会長・小島崇行さん

自由な身体表現の探究

副会長兼事務局長の小島崇行さんは、モダンダンス・現代舞踊の表現者です。

アニメ世代で、もともとは声優志望。
演劇の専門学校で踊りに出会い、恩師のリサイタルを観て衝撃を受けました。

喋らないのに、こんなに感動するのか。
その体験が、舞踊家としての出発点でした。

モダンダンスは「自由表現」とも言われます。
クラシックの型に縛られず、自分のテーマを身体で語る芸術です。

小島さんは、社会風習や命をテーマにした作品を多く創作してきました。
今回の公演でも、その世界観が披露されます。


ダンサーという現実

華やかに見える舞台の裏側には、厳しい現実もあります。

日本でダンサーとして生計を立てることは容易ではありません。
バレエ団に所属しても安定した給与があるとは限らず、公演はチケット販売によって成立する世界です。

それでも彼らは踊ります。

なぜなら、舞台でしか伝えられない感動があるからです。




『A Happy Nightmare(ご機嫌な悪夢)』と膳亀利次郎さん

今回の公演では、小島崇行さん振付による『A Happy Nightmare(ご機嫌な悪夢)』も上演されます。

タイトルは印象的ですが、公演全体の中の一作品です。

この作品にゲスト出演するのが、膳亀利次郎さんです。

膳亀さんは、舞台経験を重ねてきた表現者であり、身体の存在感に強みを持つダンサーです。
モダンダンス作品においては、振付の再現だけでなく、空間の使い方や沈黙の時間をどう支えるかが重要になります。

膳亀さんは、その緊張感を舞台上で保ち続けられる存在として参加しています。

若い出演者にとっては刺激となり、観客にとっては作品の奥行きを深める存在となるでしょう。


膳亀利次郎さんという存在

膳亀利次郎さんは、舞台経験を積み重ねてきたダンサーであり、その身体表現には独特の存在感があります。

モダンダンスやコンテンポラリー作品では単なる振付の再現ではなく、

・空間をどう使うか
・視線をどう操るか
・沈黙の中で何を語るか
といった「身体そのものの説得力」が問われます。

膳亀さんは、そうした舞台上の緊張感を保ち続けられる表現者のひとりです。

今回の『A Happy Nightmare』は、社会風習や人間の内面に潜む違和感をテーマにした作品です。

「悪夢」でありながら「ご機嫌」という逆説的なタイトルが示すように、単純なストーリーではなく、観る側の解釈に委ねられる構造を持っています。

その中で膳亀さんは、作品世界の重心を担う重要なポジションで登場します。



ゲスト出演の意味

杉並洋舞連盟の公演は、地域の稽古場で学ぶ生徒たちを中心に構成されながらも、プロフェッショナルや経験豊富なダンサーがゲストとして参加することで、舞台全体の質を高めています。

こうした構成は、公演の大きな特徴のひとつです。

若い出演者にとっては、異なる経験や表現力を持つダンサーと同じ舞台に立つことが大きな刺激となり、学びの機会にもなります。
技術だけでなく、舞台に立つ姿勢や空気の作り方を間近で感じることができるからです。

観客にとっても、多様な経験を積んだダンサーが加わることで作品の厚みが増し、舞台全体の完成度が高まります。

そして演出家にとっては、作品世界をより豊かに具現化するための重要な存在となります。
異なる背景や感性を持つ表現者が交わることで、舞台は単なる発表の場を超え、創造の場へと深化していきます。

杉並洋舞連盟の公演は、地域の育成とプロフェッショナルな表現が融合することで生まれる、特別な舞台なのです。

杉並洋舞連盟 Facebookより

杉並洋舞連盟 Facebookより

地域文化を未来へ

杉並洋舞連盟の公演は、地域の稽古場から育った若い才能と、プロフェッショナルの表現が交差する場です。

会長・東秀昭さんの言葉にあるように、表現の本質はひとつです。

副会長・小島崇行さんの探究する自由な身体表現もまた、その延長線上にあります。

そして膳亀利次郎さんのようなゲストが加わることで、舞台はさらに厚みを増します。

第32回公演は、地域文化の継承であり、未来への提案でもあります。

言葉を超えた身体の表現。
その瞬間の空気を、ぜひ会場で感じてみてください。

杉並洋舞連盟 Facebookより

杉並洋舞連盟 Facebookより

編集後記

今回の取材では、クラシックバレエの稽古、そして膳亀利次郎さんが参加されるモダンダンス作品の稽古を見学させていただきました。

まず印象的だったのは、稽古場の空気です。
静かでありながら、どこか張り詰めた緊張感がありました。
バレエのレッスンでは、一人ひとりの集中力が空間を引き締め、基本の積み重ねこそが舞台を支えるのだということを実感しました。

一方、モダンダンスの稽古では、同じ踊りでありながらまったく異なる空気が流れていました。
身体の使い方、呼吸の間、視線の向け方。
正解が一つではない世界の中で、表現を探り続ける姿がありました。

膳亀利次郎さんが稽古場に入られた瞬間、空気が少し変わるのを感じました。
声を発するわけではないのに、存在そのものが場を引き締める。
経験を重ねた身体が持つ説得力を目の当たりにしました。

しかし同時に、若いダンサーの皆さんの真剣な眼差しも強く印象に残りました。
プロと同じ空間で踊ることが、どれほど大きな刺激になるか。
その緊張と高揚が、稽古場全体に広がっていました。

舞台は本番の数時間だけのものですが、その裏には膨大な時間と努力があります。
稽古場で流れていた真剣な時間こそが、公演の本質なのだと感じました。

最後に、今回の取材にあたり、丁寧にご案内くださいました東秀昭会長、小島崇行副会長、そして執行先生に心より感謝申し上げます。
また、稽古の大切な時間にもかかわらず快くご協力くださったダンサーの皆さまにも、深く御礼申し上げます。

第32回公演が、多くの方の心に残る舞台となることを願っております。

※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。

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