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【阿佐ヶ谷】馬橋稲荷神社のチャリティーパエリア収穫祭へ行ってきました

2026年10月12日 日本全国のパエリア職人が集結! 伝統的なバレンシアパエリアを巨大鍋で炊き上がる

熊本地震支援を掲げた収穫祭。直径3mの大鍋と、全国から集まったパエリア職人たち。

直径3m! 馬橋稲荷神社で大鍋チャリティーパエリア収穫祭

2026年10月12日(月・祝)、杉並区阿佐谷南の馬橋稲荷神社で開催された「大鍋チャリティーパエリア収穫祭」へ行ってきました。

今回の主役は、直径3mの大きなパエリア鍋。人がそばに立つと、その大きさがよく分かります。この鍋を使い、全国から集まったパエリア職人たちが、伝統的なバレンシアパエリアを薪火で炊き上げました。

会場には飲食や食材の出店が並び、音楽の演奏も。大鍋の調理を見ながら境内を巡り、スペインの食文化に触れられる収穫祭です。

さらに、この催しには、パエリア米の新米収穫への感謝と奉納、熊本地震支援、こども食堂・食育や児童・福祉施設への支援という目的があります。食べる楽しさを、誰かを支える力につなげる取り組みです。

大鍋いっぱいに炊き上がったパエリアを前に、職人とスタッフの皆さんが集合。

大鍋を囲む職人たち。力を合わせて一つの料理に

完成したパエリアの向こうに並ぶのは、そろいの黄色いシャツを着た職人やスタッフの皆さん。大きな鍋いっぱいに広がったパエリアと、その調理を支えた人たちが一枚に収まっています。

これほどの大鍋になると、鍋の端から端まで目を配り、火の状態や炊き上がりを確かめる必要があります。調理をする人、薪火を扱う人、道具や食材を準備する人。それぞれの仕事がつながって、一つのパエリアが出来上がります。

普段は別々の場所で活動している職人たちが同じ鍋を囲むことも、この催しの魅力。料理の大きさとともに、協力して作り上げる姿が印象に残ります。

鳥居のそばで来場者を迎える、紫色の「収穫祭」の旗。

神使(しんし)の狐像。神社の風景も楽しみながら会場へ。

収穫祭の旗に迎えられて、神社の境内へ

神社の入口には、紫色の収穫祭の旗。鳥居の朱色とともに、会場への目印になっていました。

境内へ入る前には、神社らしい風景にも目が留まります。神使の狐の像をはじめ、普段の街歩きでは見過ごしてしまいそうなものを眺めながら進むと、地域の神社が催しの会場になっていることを改めて感じます。

新米の収穫を祝い、食べ物に感謝する催しが神社で開かれる。その組み合わせにも、収穫祭ならではの意味があります。

木々に囲まれた馬橋稲荷神社の参道。奥の境内が収穫祭の会場です。

鳥居と朱色の欄干が目を引く境内の風景。

参道を歩いて会場へ。いつもの神社に特別な一日

木々に囲まれた参道と、鳥居のある風景。会場へ向かう道のりにも、馬橋稲荷神社の落ち着いた雰囲気があります。

地域の人が訪れる身近な場所に、大鍋や屋台が集まる一日。参拝の場所と、人が集い食を分かち合う場所が重なっていました。

大鍋を目当てに訪れた人も、神社を通して催しを知った人も、同じ境内で出会える。こうした地域に開かれた会場であることも、収穫祭のよさではないでしょうか。

大鍋を前にした結城優シェフと塩田寛樹シェフ。パエリアの技術と文化を伝える二人。

パエリア文化を広める結城優シェフと、当日のトップシェフ・塩田寛樹シェフ

結城優シェフ|店の一皿から、地域や被災地へ

結城優(ゆうき・まさる)シェフは、杉並のスペイン料理店「anocado restaurante+」のオーナーシェフ。店の公式サイトには、第57回国際パエリアコンクールの国際部門優勝が紹介されています。

料理だけでなく、食材がどこで育ち、どのような人の手を経て食卓に届いたのか、その背景を伝えることも大切にしているシェフです。店では食材の選定から仕込み、仕上げまで自ら手がけ、料理やワインについて会話を楽しめる時間を届けています。

また、イベントへの出店、地域事業への参加、被災地での炊き出しなどにも取り組んできました。レストランの料理を地域の交流や支援へと広げていることが、結城シェフの活動の特徴です。anocado公式サイト

NPO法人全日本パエリア連盟の代表理事として、パエリアを学ぶ機会や職人が挑戦する場づくりにも携わっています。公式ニュースでは、第65回スエカ国際パエリアコンクールで審査員を務めたことも報告されています。作り手としての経験を、文化の普及や次の担い手の応援につなげています。

塩田寛樹シェフ|スペインの味と、分かち合う文化を伝える

当日のトップシェフを務めたのは、横浜・鶴見の「CASALINA本店」の塩田寛樹シェフです。

塩田シェフが大切にしているのは、料理の味に加え、その料理を楽しむ文化。2023年の取材記事では、スペインを訪れた際、料理人同士がレシピを共有し、店の休みに一緒に練習する姿や、街の店を巡って食を楽しむ文化に感銘を受けたことが紹介されています。その経験が、スペイン料理を広めたいという思いにつながったそうです。「これつる」の塩田シェフ取材記事

パエリアコンクールにも挑戦を重ね、2026年の日本代表選考大会ではCASALINAが優勝。主催者公式サイトには、第65回スエカ国際パエリアコンクールの日本代表チームとして掲載されています。日本代表選考大会公式結果

薪火の調整は、塩田シェフが練習を重ねてきた技術の一つ。今回の直径3mの大鍋でも、職人たちとともに調理を担いました。本場の料理を学び、磨いた技術を、多くの人と分かち合う場で生かす。その姿が、このチャリティー収穫祭にもつながっています。

出店に並ぶ瓶入りのオリーブ。スペインの食卓を身近に感じる食材です。

オリーブオイルの瓶が並ぶ売り場。料理を支える食材にも注目。

Estrella Damm【ビール】:スペイン・カタルーニャ州代表

調理の合間に出店巡り。食材や飲み物にも注目

大鍋の炊き上がりを待つ間は、出店を見て回る楽しみもあります。

写真には、缶入りのオリーブや瓶入りのオリーブオイル、飲み物が並んでいます。パエリアをきっかけに、スペインの食材や家庭での料理にも興味が広がりそうです。

完成した料理を食べるだけでなく、材料や調味料を知ることも、食文化に触れる入口。気になった品について出店者に尋ねる時間も、会場を巡る楽しみの一つです。

「収穫祭」の表示が目印のブース。会場の案内を確認しながら楽しめます。

商品やメニューが並ぶ出店。大鍋以外にも、立ち寄りたい場所がいろいろ。

収穫祭の受付・販売ブース

収穫祭の案内を掲げたブースや、商品とメニューが並ぶ出店もありました。

このイベントのパエリアは、チャリティーに参加した方への返礼品として案内されています。大鍋で作られた料理を受け取ることが、支援への参加にもつながる仕組みです。主催者の開催案内

会場を巡るときは、調理の様子とあわせて、受付や各ブースの案内にも目を向けたいところ。催しの目的を知ると、一皿を受け取る意味も少し変わってきます。

スペインのししとうのようなおつまみは、「ピミエントス・デ・パドロン(Pimientos de Padrón)」。

オリーブなどを使った串が並びます。小さな一品からスペインの食文化に触れる機会に。

パエリアだけでなく、タパスも楽しめる会場

食べ物の出店には、パエリアやタパスの案内も。写真には、串に刺したオリーブなどが並んでいます。

大鍋の調理を見て、出店で食べ物を選び、また鍋の様子を見に戻る。そんなふうに会場を巡れるのも、この収穫祭の楽しみ方です。

料理、食材、飲み物がそろうことで、一つの料理を入口に、スペインの食卓へと関心が広がります。

肉や豆、野菜などを表現したパエリアの展示。料理の材料を知るきっかけになります。

パエリアの材料を、目で見て知る

会場では、肉や豆、野菜などを大きく表現した、パエリアの展示にも目が留まりました。

パエリアと聞くと、エビや貝を使った料理を思い浮かべる方も多いかもしれません。今回のテーマである「バレンシアパエリア」は、鶏肉やウサギ肉、豆類などを用いる伝統的な料理として紹介されています。

大鍋の下に薪を用意し、火の状態を確認。調理を支える仕事が進みます。

大鍋の下に薪を用意し、火の状態を確認。調理を支える仕事が進みます。

薪火で大鍋を加熱。鍋の下まで目を配りながら炊き上げます。

薪火で炊く大鍋。鍋の下にも職人の仕事

いよいよ、大鍋の調理の様子です。

鍋の下には薪。広い鍋を支える設備の周囲で、スタッフが火の状態を確かめています。表面の食材だけでなく、その下で燃える火にも目を配る仕事です。

直径3mという大きさでは、火をどこに、どの程度当てるかも重要になるはず。薪を扱いながら鍋の様子を見る姿から、料理と火の管理が一体になっていることが伝わります。

大鍋そのものの迫力に加え、鍋の下で進む仕事にも注目したい場面でした。

湯気が立ち上る大鍋。薪火の上で調理が進んでいます。

長い道具を使い、広い鍋の中を扱う職人。大鍋ならではの調理風景です。

湯気の向こうで進む調理。大鍋がパエリアになっていく

調理が進むと、大鍋から湯気が立ち上ります。鍋のそばでは、長い道具を使って食材や米を扱う職人の姿が見られました。

家庭のフライパンとは違い、手元だけでは届かない広さ。そのための道具を使い、鍋全体を見ながら作業が進みます。

途中の写真と完成後の写真を見比べると、鍋の中が変化していく様子も分かります。出来上がった一皿を食べる前に、その工程を見られることが、実演調理の大きな魅力です。

大鍋のそばで演奏するTOKYO XIRIMITERS。ドルサイナとタバルで会場に音楽を届けます。

TOKYO XIRIMITERSのドルサイナ演奏。料理と音楽でバレンシアに触れる

大鍋のそばでは、TOKYO XIRIMITERSによる演奏も行われました。

ドルサイナは、スペインの各地に伝わる管楽器。TOKYO XIRIMITERSは、バレンシア地方のドルサイナを演奏するグループです。

ドルサイナとタバルの演奏、目の前にはバレンシアの料理であるパエリア、その向こうには同じ地方にゆかりのある音楽。食と音楽を一緒に楽しみました。

日本の神社の境内で、スペインの料理と楽器に触れる。地域のお祭りの場に、異なる文化が自然に重なっていました。

炊き上がったパエリアを器へ取り分ける場面。大鍋から一皿ずつ届けます。

盛り付けたパエリアを手にする塩田シェフと職人たち。新米の収穫への感謝を込めて。

炊き上がった一皿を取り分ける。収穫への感謝を形に

完成したパエリアを、長い道具で取り分けて器へ。大鍋の料理が、一人ひとりに届く一皿へと変わっていきます。

今回の収穫祭には、パエリア米の新米収穫を祝い、奉納する目的もあります。
米を育てる人、食材を届ける人、調理する人、そして食べる人。収穫への感謝は、こうしたつながりに思いを向けることでもあるのでしょう。

大鍋の大きさに驚いた後は、器に盛られた一皿を見ることで、食卓に届くまでの仕事を身近に感じられます。

容器に詰められたパエリア。多くの人に届けるための準備が進みます。

大鍋の周囲で作業するスタッフ。調理から取り分けまで、協力して支えます。

おいしさを支援につなぐ。炊き出しと防災を考える機会にも

会場では、パエリアを詰めた容器がまとめて準備されていました。一つの大鍋で作った料理を、多くの人へ届けるための作業です。

主催者は、熊本地震支援に加え、こども食堂・食育や東京都内の児童・福祉施設への支援を開催趣旨として案内していました。
薪火を管理し、多くの食事を作り、容器に取り分けて届ける。今回の調理風景も、災害時に食事を用意するための人手や段取りを考えるきっかけになります。普段から顔を合わせ、協力して作業することも、地域の備えにつながりそうです。

出店や大鍋の調理を楽しむ来場者たち。馬橋稲荷神社の境内に人が集まった収穫祭。

大鍋を囲んだ一日。地域と食、支え合いがつながる収穫祭

境内には、屋台を見て回る人や、調理を見守る人の姿。神社の風景の中に、多くの来場者が集まっていました。

今回の収穫祭で心に残ったのは、大鍋の大きさだけではありません。職人たちが協力して料理を作ること、その料理を分かち合うこと、食べる楽しさを支援につなげることです。

結城優シェフが広めてきたパエリアの文化と、当日のトップシェフ・塩田寛樹シェフをはじめとする職人たちの技術。そこに、出店者、演奏者、スタッフ、来場者が加わって、この一日が形になっていました。

収穫への感謝、チャリティーへの参加、そして防災を考えるきっかけ。身近な神社で大鍋を囲むことから、食の向こうにある人と地域のつながりが見えてくる収穫祭でした。

※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。

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