青いオーニングとレンガの柱に囲まれた赤茶の扉が目印

それいゆ
モーニングは11時30分まで、その後はランチメニュー(平日のみ)11時30分~15時まで
| 住所 | 西荻南3丁目15−7 |
| 電話 | 03-3332-3005 |
杉並区 あの店この店 まいぷれ杉並区編集部がお邪魔したお店
文化と時間が交差する純喫茶、「それいゆ」昔ながらの純喫茶でモーニングセットを食す

厚焼きトーストセット(モーニングセット)
西荻窪の駅を降りて南口へ。商店街を抜けた先に、「それいゆ」は静かに佇んでいる。青いオーニングとレンガの柱に囲まれた赤茶の扉は、まるで絵本の1ページのよう。1965年に姉妹が始めたジャズ喫茶としての歴史を受け継ぎ、いまは二代目による家族経営の店として、多くの人に愛されている。
扉を開くと、赤い床にアンティーク調の椅子、やわらかな照明。そして店の中心には、堂々と構える楕円形の大テーブル。その中央には名物の水出しコーヒーの大型ポットが据えられている。静かに抽出されるその姿を眺めているだけで、自然と心が落ち着く。クラシック音楽が流れる中、訪れる人たちは思い思いの時間を過ごしている。

ベーコンエッグトーストセット(モーニングセット)
それいゆのモーニングは、朝のひとときを優しく包んでくれる存在。じっくり焼かれた厚切りトーストに、ベーコンエッグ、ゆで卵、そしてたっぷりの珈琲。賑やかな街の始まりに、少しだけ心の隙間をつくってくれるような、あたたかい時間が流れる。

パンプキンパイやビクトリアケーキ、ふわふわのシフォンケーキなど、どれもが素朴で丁寧に作られている。

香り高きコーヒー
それいゆといえば、何といっても「水出しコーヒー」。12時間かけて抽出されるこのアイスコーヒーは、まろやかでコクがあり、苦味がほとんどない。真夏はもちろん、冬でも頼む常連がいるほどの人気ぶり。店内中央の大型ポットから、少しずつ滴り落ちるその様子を見るのもひとつの楽しみだ。

店内には、自由に手に取れるように絵本や文庫本、詩集などが豊富に揃えられており、読書を楽しみながらゆったりと過ごす人も多い。
トイレの中にまで小さな絵が飾られていること。細部まで行き届いた美意識に、店主の優しい感性と遊び心を感じる
それいゆを語るうえで欠かせないのが、そこに集う人たちと、その空気感だ。「ここがなければ生活が成り立たない」と言う常連も少なくない。お店の人たちも過度な干渉をせず、でも必要なときにはしっかりと寄り添ってくれる。その距離感が心地よく、気づけば週に何度も足を運んでしまう、そんな場所になっている。
予約はできず、支払いは現金のみ。カードも電子マネーも使えない。だけど、それでいい。だからこそ、「それいゆ」には、ほんの少し日常から距離を取りたい人たちが自然と集まる。流行りのカフェでも、チェーンの店でもなく、西荻という街が持つ文化と気配そのものを体感できる場所。それが、喫茶「それいゆ」だ。



モーニングは11時30分まで、その後はランチメニュー(平日のみ)11時30分~15時まで
| 住所 | 西荻南3丁目15−7 |
| 電話 | 03-3332-3005 |
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